英国生活ガイド

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住宅設備と電化製品について
Household & Electrical Appliances
英国の気候は、日本の高温多湿の夏、晴天乾燥の冬と違い、夏は低温乾燥、冬は低温多湿となります。そのため住宅も英国の風土にマッチした装備や構造となっています。その点を理解した上で、契約期間中から退去まで、正しい手入れ方法で快適に暮らしましょう。

コンビネーションボイラー

ボイラーの種類
コンビネーションボイラー

給湯・暖房コントローラー / Hot Water & Thermostat System
サーモスタット
室内に取り付けられた室温コントローラー。セントラルヒーティングコントローラーとリンクして室温をセットした温度を保つように調整します。コンビネーションボイラーにはコードレス式の24時間制御コントローラーと一体型もあります。
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アナログ式コントローラー
コンビネーションボイラー本体によく取り付けられているシンプルなコントローラーで、リング状の24時間時計の中に15分刻みでオン/オフできるレバーが付いています。システムボイラーには24時間時計の中に稼働時間設定が2回できるモデルが一般的。シンプルでわかりやすく使いやすいのが特徴です。
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デジタル式コントローラー
一般的にシステムボイラーと組み合わせて使用します。モデルにより1日数回のオン/オフや、曜日 別設定、カレンダー機能の付いた多機能モデルもあり、多彩な使い方が可能です。
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エアコンパネル
個別コントロール式の場合は、それぞれ本体のコントロールパネル及びリモートコントローラーで設定し運転。集中タイプは壁に埋め込まれたコントローラーで設定し運転します。
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ラジエターコントロールバルブ
バルブを回すことによって、各ラジエターの温度調節ができる。
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電球の種類と取り扱い / Electric Bulb
ハロゲンランプの交換
同じ形式で同じもしくは低い電圧の電球のみ使用可能です。高い電圧の電球は安定器(トランスフォーマー)が使用されている場合があリます。 熱した電球の表面で火傷しないよう、よく冷ましてから取り扱いましょう。
電球の種類と取り扱い
電球の種類と取り扱い
ダウンライトの電球の交換
電球の種類と取り扱い
電球の種類と取り扱い
従来型ランプ
電流が230Vのため、従来型ランプの寿命は短いです。明るさを向上させるには、白色から透明に替えるとよいでしょう。電圧を上げると焼け焦げや変色・破損の原因になります。最近は従来型電球の発光部分をLED やハロゲンランプに代わり、既存サイズで製品化された省エネ・ロングライフタイプが主流になりつつあります。電球交換の際は、スクリュー式・ベイオネット式かをよくご確認ください。
電球の種類と取り扱い

火災探知機 / Smoke Detector
火災探知機は、通常部屋の天井に設置され、煙を探知すると警報が鳴ります。料理中に煙が室内に充満しても鳴ってしまうことがあるので、その際には落ち着いてセットボタンを押してください。
火災探知機

一酸化炭素検知器 / Carbon Monoxide Detector
ガスの通っている物件では、ガス漏れの恐れがある場所や換気口近くに一酸化炭素検知器があります。電池が切れると「ピー」と音が鳴りますので、新しい電池と交換しましょう。
一酸化炭素検知器

ブレーカーとヒューズ / Fuse Box
ブレーカーは、通常、玄関付近の収納内もしくは壁に取り付けた小さな扉の中にあります。わからない場合は大家やエージェントにお尋ねください。日本の住宅の玄関先などにも同じようなシステムがありますが、使い方は同じです。一番端にメインスイッチがあり、住宅内のすべてのパワーをコントロールしています。その他のスイッチは、部屋ごとや用途別になっています。電球が切れたり、過剰な電力を消費すると安全のため該当部分のブレーカーが落ちて一時的に供給がストップし、電球切れなどの場合は室内が停電状態になります。ブレーカー内を確認すると下に落ちているレバーがあるので、そのレバーを上に押し上げてパワーを復旧させます。再びレバーが落ちる場合は、漏電などの別の不具合が起きている可能性があるので大家か管理者に報告してください。 一ブレーカーとヒューズ
ヒューズは、表示されているアンペア数値を確認の上、購入しましょう。通常はプラグ内に埋め込んであり、マイナスドライバーなどで簡単に取り出せます。大型家電のあるキッチンなどの壁のパネルの中のヒューズを交換する際は、安全のため、スイッチをオフにしてください。
使用するのに変圧器が必要な日本から持ち込んだ電化製品は、英国の電化製品安全基準外のため、物件内でのいかなるダメージ(破損・失火など)もテナントの自己責任となります。ご注意ください。
メインバルブ(止水栓)/ Main Valve
通常、キッチンの流し台下のキャビネット内、もしくは給湯タンクの収納内上部などに少し大きめの栓があります。トイレのタンクなどから水が溢れ出すようなトラブルの際には、業者が来るまでの間、この栓を閉めることにより被害の拡大を防止することができます。

コンビネーションボイラー
故障かな?と思ったら(トラブルシューティング)
住宅設備が突然故障したり、機能しなくなることはよくありますが、大家に不具合を報告する前に自分でできる簡単な確認作業を試してみましょう。

電気器具の取り扱い / Electric Appliance
Cooker/Hob/IH (ガス式/電熱式/電磁式コンロ)
ガス式、電熱式と電磁(旧)式の3 タイプ。電熱式は、火を止めてもしばらくの間はかなりの熱が残ります。
鍋などを置いておくと、余熱で焦げてしまうので、注意してください。電磁式にはIH 専用の調理器具をご使用ください。ふきこぼれを放置すると水垢として固まるので、冷めたらすぐに拭き取るようにしてください。もしも固まってしまった場合には、表面に傷をつけないよう専用の道具と専用クリーナーを使って手入れをしてください。
Dishwasher (食器洗浄機)
油分や汚れは洗浄分解されますが、残飯などは予めシンクなどで軽くすすぎます。お箸などの細長いものをカトラリースタンドに立てると、落下してプロペラを傷つける恐れがあります。グラス類などは転倒して破損しないようバスケット内のホルダーで固定するようにセットしてください。ノズルに石灰分が付着すると、故障の原因になるので、Dishwasher Salt を常時入れておきましょう。
Dishwasher Salt はあら塩のようなもので、スーパーの Dishwasher Tablet のコーナーにあります。Dishwasher のラックを引き出し“Salt”と書かれたキャップを左にひねると蓋が取れて水が溢れてきますが、気にせず Salt を投入します。1度に1キロ以上入りますが、月に1回程度の補充をお勧めします。
Dishwasher Rinse は、グラスを輝かせるのに有効です。不足すると食器が乾燥しない原因にもなります。
食洗機も Dishwasher Cleaner で定期的な掃除をお勧めします。また食洗機のフィルターのごみもチェックしてください。
Waste Disposer (生ごみ粉砕処理機)
キッチンのシンクに装備されていることがありますが、十分なパワーはありません。多量の水を流しながらお使いください。ご飯粒や生肉を流すと粉砕できずに詰まることがあります。骨、野菜の芯、果物の分厚い皮などは粉砕できません。
また、まったく使用していないと、水が蒸発して水垢として固まってしまい故障の原因になります。普段は使わない場合でも、時折、水を流しながら空回ししてください。
Washing Machine (洗濯機)
日本製の洗剤と漂白剤は絶対に使用しないでください。ドアのゴムがひび割れて、水漏れの原因となります。市販の洗剤にはパウダーや液体、錠剤があります。決められた分量を守り、パウダーは所定のトレイヘ、液体や錠剤は付属のカップまたはネットに入れ、取扱説明書に従って、規定量の洗濯物と一緒にドラムの中へ入れてください。電気ポットやアイロンと同様、洗濯機の中にも水垢が蓄積しますので、定期的に水垢を分解する薬品を使って手入れをしましょう。
洗剤を入れるトレイは取り外し可能なタイプが多く、使用後は軽くすすいで乾燥させ、カビが生えることを防ぎましょう。

Washer Dryer( 洗濯乾燥機)で乾燥機を使用する場合、洗濯物は少なめにしてください。たくさん入れ過ぎると、ドラム内が異常過熱し、安全装置が働いて、温風が停止することがあります。 小さな物を洗濯する場合、排水口に吸い込まれて詰まりの原因になることがあります。また、洗濯ネットのみで洗濯機を回すと、 脱水時に大きな振動音を発したり、脱水ができないことがあります。洗濯ネットを使用する際は、他の洗濯物も一緒に入れてご使用ください。これらは故障ではありませんが、再稼働させるにはエンジニアを呼ぶ必要が生じ、その費用はテナントの負担となります。

洗濯機のドアまわりのゴムパッキンには、水滴や綿くずなどが溜まりやすく、特に乾燥機能付モデルはカビが繁殖しやすいので、使用後はドアを開けておき、水滴はこまめに拭き取りましょう。また、安全のためプログラム終了後数分間は、ドアはロックされた状態ですので、無理に開けないでください。
洗濯機のフィルターにゴミや小さな物が詰まると、脱水が妨げられ洗濯機が停止します。フィルターは、洗濯機下部の小さな扉を開け、ノズルを回して取り出します。取り出し時には、大量の水が出てくることがあるので、バケツなどで水を受けながらゆっくりとノズルを回し、水を出し切ってからフィルターを取り出してください。洗濯機が停止する前に、定期的にフィルターの掃除も行うようにしましょう。

コンビネーションボイラー
Vacuum Cleaner (掃除機)
紙パック式の場合、必ず機種に合ったものをお買い求めください。家庭用品のオンラインショップか、メーカーのカスタマーサービスなどで購入できます。フィルター式(バッグレス)の掃除機では、定期的にフィルター内の細かい粉塵の洗浄が必要です。このメンテナンスを怠って器具が故障すると、修理・交換の負担を請求されることがありますのでご注意ください。
Extractor Fan (換気扇)
ペーパー取替えタイプは、油が粘着状態になる前にフィルターを取り替えましょう。メッシュタイプのフィルターは定期的にディッシュウォッシャーなどで洗浄してください。
Oven/Grill (オーブン/グリル)
電気式が一般的。グリルとして使用する場合は、ドアを少し開け、オーブン内に煙が充満しないようにしてください。時計の設定をしてからでないと作動しないタイプもあります。
※ 物件にテレビやビデオ、ステレオなど娯楽目的の家電などが備わっていることもありますが、故障の際は、通常、テナント に修理義務が生じます。
※ 建物やバルコニーなどに、無断でパラボラアンテナを設置することはできません。
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